第211話 魔鉄球

冒険者ギルドで25階の簡易地図を購入して、魔道具屋に向かう。カーヤが鉄球に≪頑丈≫と≪帰還:リターン≫を付与して欲しいという相談のためである。見本としてリリーの魔法の矢を提示する。

球3つにそれぞれ2つの機能を付与すると、先日の貴族パーティーの指名依頼で得た金貨を使い切る額になるとのことであったが、カーヤは他の3人の足を引っ張りたくないからと依頼する。材料とする鉄球はダンジョンで見つけた高品質な鉄インゴットを鍛錬した物であり、これに≪頑丈≫が付与されるとかなり上位クラスの魔物にも対応できると期待する。


リリーは白猿ホワイトエイプの毛皮を使って、以前よりは良くなったがまだ中級下位の革鎧をつくりあげて、

「サラ、誕生日プレゼント」

「って、同じパターンでしょう?」

「良く分かったわね」

というやり取りをして、皆に配る。それぞれ成長期でもあり少し身長も伸びたのにも合わせてある。


サラは魔道具屋に興味深い魔道具や魔導書が無いかを確認する。最近ではあると便利と思われる、覚えている≪炎付与≫のような暫定ではなく魔道具を作成する付与魔法、鑑定魔法や契約魔法などに興味がある旨を店主に言うと、笑いながら商売敵になるのか?と言われつつ、それらの魔導書は無いとの返事であった。基本は弟子入りして学ぶ分野であると補足される。

また、最近採取できていない薬草と薬瓶をまた買いに行き、いつもの傷回復と魔力回復に合わせて解毒と病治癒の魔法回復薬も在庫を確保するように調合するのであった。


ハリーも従魔屋での用事の後は食料品などの消耗品を補充して、カーヤの実家で鍛冶の訓練をした。

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