第376話 火精霊鍛冶

アルベールとリリアナは少し武器の扱いに慣れた頃、魔法も色々と試したいと希望するので、各属性の向き不向きをまとめて確認することにした。


既に確認した水属性以外の基本6属性である火風土光闇と回復魔法の6種類を、スクロールや触媒を使って試すと、ハーフエルフと言われただけあって魔法特性や魔力があるのか、≪種火≫≪そよ風≫≪砂生成≫≪灯り≫≪夜目≫≪治癒≫をいずれも習得することができた。

先が楽しみな結果となり、サラは魔術語と魔法陣を以前に習得した≪水生成≫と合わせて教える。時間があれば魔力操作として、魔石への魔力注入することと合わせて、各種魔法の発動練習、魔術語と魔法陣を理解することで習熟を深めることを指導する。




カーヤは2ヶ月の間の留守番中に≪火球≫もそれなりに習熟していたので、次に≪火炎≫をサラに習う。その際にサラは、カーヤは鍛冶のために火魔法の習得を努力しているので、火精霊ヨルバを召喚しその旨を相談する。するとヨルバは

「鍛冶の火を操って、高品質な製品を生成したいとは面白い」

と言い、炉の火をカーヤの希望通りに操って見せる。

「サラが居ないときでもヨルバと鍛冶をしたい」

と言うカーヤに対して、ヨルバは≪火炎≫を習得したばかりのカーヤと≪契約≫をする。カーヤは精霊魔法としての火魔法になかなか慣れることができなかったが、横にサラと火精霊ヨルバそのものが居て指導していたので、≪種火≫≪火球≫までは精霊魔法として使用することができるようになった。

そのまま習熟を深めるとカーヤも≪召喚≫できるようになり、鍛冶の火の操作もサラが居なくてもできるようになると期待する。


少し伸び悩んでいたカーヤも、留守番で集中して鍛冶をしていたことで上級手前まで成長したことと、火精霊による更なる成長のきっかけがつかめたため、晴れやかな顔になる。


よく伸び悩んでいたハリーも、最近は上級武技の習得、従魔の飼育、ミーナ・アルベール・リリアナという後進の育成で承認欲求を満たされている。

そうなると今度は、ミーナに魔法関係でも抜かれて行くリリーに何かが必要かと考えるサラであった。

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