第340話 馬車調達2

王都の従魔屋に、5人そろって行くことにした。相手も生き物であるので、相性もあり得るからである。

王都と言いつつ、従魔屋には広い敷地が必要であり、走り回る戦馬バトルホースなどは城壁より南側の農場地帯の中に敷地を確保しているようとのことであった。いくら従魔であってもCランク魔物の戦馬バトルホースが群れで街中に居るのも住民が嫌なのかもしれない。

戦馬バトルホースのエリアに案内されると10頭ほどが放し飼いにされていた。


従魔屋の店員が全頭を呼び寄せて1頭ずつ説明をしてくれる。どこの地方で仕入れた、気性が激しい、足が速い、戦闘力が高い等々。

素人の自分たちには細かいところが分からないと割り切り、ハリーがいつものように普通の馬と同じように順番に撫でて行って反応が良かった2頭を選ぶ。

店員が言うには兄弟で、性格は大人しい2頭であるとのことであった。


ハリーはこの2頭が良いということになり、まずは馬車のためであるため、これもサラの財布から出すことにした。

ただ、従魔契約はサラではなくハリーにすることにした。従魔の証もハリーの名前で登録しつつ、ハリーは残り4人を2頭に紹介して、5人が主人であることを教える。

ハリーはロック鳥ガンに続いて、この2頭にはバンとセンという良く分からない感性で名付けていた。


店員が、戦馬バトルホースは通常の馬のように草も食べるが肉も食べる雑食の魔物であると教えてくれた。また、鞍などの最低限の装備も購入し、今後お世話をすることが多くなるであろうハリーとミーナが騎乗して帰ることにした。

ハリーはまだしもミーナはそういう経験も馬と仲良くしたことも無かったのでおっかなびっくりであったが、大人しいという売り込みの通りでもあり、また通常の馬より賢い魔物でもあり、特に苦労することもなかった。


帰りに馬車を注文した店にも寄り、この2頭が引くことになると寸法等を測って貰ってから家に帰る。

今日は留守番にしていたロック鳥のガンとも互いに顔合わせをさせてから、馬屋で休ませた。

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