第339話 馬車調達
午後には、カーラのアドバイスを踏まえて、ドレスと宝飾品の調達にリリーと向かう。
ドレスはミーナと出会ったきっかけの店に頼むことにした。他の選択肢が分からなかったし、相談もしやすいと思ったからである。2着目なので、以前とは別物であることが他人にわかるようにしつつ、あまりに似合わない物でないようにだけ依頼条件にした。
あわせて、それら2着のドレスと自身の銀髪とも似合うあまり華美過ぎないものを合わせて発注することにした。宝飾品は他に持っていないが、魔道具の腕輪や指輪があるため、その他のネックレスやイヤリングにした。
ダンジョンなどの探索結果だけでなく魔法回復薬の売上も十分にあるので、費用面の心配はせずに発注ができた。
よく同行することになるリリーの分も、それなりのものを注文しておく。
続いて貴族らしい馬車の調達に行く。
もともと店舗兼住宅には馬小屋も馬車の収納場所もあったので、その心配は無いが、貴族の用事のときと冒険者や店舗の用事のときで要求される車体が異なるので、昨夜皆で議論した。結果、魔法の袋もあるため、冒険者や店舗のためには今は急ぎでは不要なため、やはり貴族用の黒塗り車体を注文することにした。ただ発注先も分からないので、困ったときのヴァーヴ伯爵家の執事ということで、教えて貰いに行く。
流石、執事は準男爵としてならこのような馬車ということを教えて貰えつつ、発注先を紹介して貰えた。紋章をつけて貰うことを忘れないように、とのアドバイスもあった。今までは借り物の馬車であり単なる黒塗りであったが、それは自前を持てないという証拠でもあるとの注意であった。
こちらもサラの貴族としての用途であるのでサラの財布から支払うことにした。
次の問題は馬の調達である。馬車を引くためだけならば通常の馬で良いが、今後の探索も踏まえると戦馬バトルホースの従魔が良いと、ハリーの強い要望があったのである。
ダンジョンに何頭も連れて入れないのと、単なる馬車だけであればパーティーメンバ数の5頭ではなく2頭で良いので、まずは2頭の従魔で様子をみることになった。
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