第532話 敷地追加
王都に戻りサラが伯爵になって1ヶ月程経った頃。
途中にあったデュドニとクリストンの誕生日を皆で祝い、それがここの普通であることを浸透させるにも、やはり増えた仲間が全員揃うには、今の屋敷の食堂では難しいことを改めて考える。
そこで先日から近隣敷地の進めていた買い取り交渉を本格化させる。まず合意を取れたのが、今の屋敷の裏側に当たるところであった。ここも高い買い取り額が交渉成功の理由ではあるが、夜襲があったときに怖かったというのも理由であった。
そこで、今は来客用として使用していない屋敷にサラとハリーとローデットはいったん移り、元の屋敷の敷地と今回追加した北側の敷地で大きな屋敷を建てる。場所は貴族街ではないが、貴族街での他の法衣伯爵邸と同等規模の立派な建物である。貴族街は土地も高いので、ほとんどの従業員の住居は一般街にあるため、敷地で言うと当然このサラたちの方が広くなる。
ハリーがボソッと
「今の家、勿体ないなぁ」
と発言すると、新しい屋敷の設計相談に来ていた大工が、
「移設も出来ますよ」
と答える。
「地面に打ち込んでいる杭のところだけ工夫すれば例えば隣の敷地に移すぐらいは良くありますよ。住み慣れた家をそのままにというご希望はあります」
「移設先に制限はありますか?」
「いえ、遠いと移動が大変なだけです」
では、とその大工を魔の森の開拓地に連れて行き、
「ここに移設できますか?」
「運ぶことさえできれば」
「運ぶのはこちらでしますので、ぜひお願いします」
と、今まで住んでいた屋敷と今回購入した屋敷の杭の処理をして貰い、移設先で地ならしや水回りの配管等の準備をした上で、≪収納≫指輪にしまって移設してしまった。
さすが噂のドラセム様で、と驚く大工であった。
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