第531話 魔の森開拓2

最初に縄張りをした範囲のうち、薬草の群生地のまわりを除いたところの木々を無くし、広々とした土地を確保できると、今後のためにも井戸を掘ることにする。適当に掘るよりも、と水精霊シルビーに良い場所を聞いておいてから、井戸掘り職人を連れて来る。

「ここが良いと思うのですが、お願いできますか?」

「んー?素人が分かるのかい?まぁ試しにやってみるか」

と着手するとそれほど深く掘らなくても水にあたることを繰り返し、結局5つの井戸を整備することができた。


その井戸の1つの近くに小屋を建てるために大工を呼び、樵と共に材木は提供することで、とりあえずの掘っ立て小屋を作ることはできた。

これで、ワイバーンのワンだけでなく、バトルホースたちも馬屋に籠っているばかりでなく駆けずり回ることができる広場ができ、食事がしたければ隣接する魔の森に行けるようにする。



ある天気の良い日に、隣人カーラも含めて30人ほどの仲間全員でこの地にやって来て、魔物の肉を中心に色々なものを焼いて食べるバーベキュー大会を実施した。

特に孤児3人など若い程そういう経験はなく、楽しい日を過ごすことができた。


そのとき、カーヤから相談をされる。

「ここに大鍛冶の設備を作っても良いかな。今の店舗では街中過ぎて作れない大鍛冶設備、いつも商業者ギルドに借りに行っているけど、火精霊ヨルバと協力してやっているのが見られないように他人を気遣うのが大変で。ここならバトルホースだと30分ほどで来られるし」

「あら、いいんじゃない。前に持ってこられなかった、坑道ダンジョンの大鍛冶設備を持ってこようか」

「そうなると、木材と炭も横の森からたくさん入手できるから、雨に濡れない小屋も追加で要るわね」

と盛り上がる。


坑道ダンジョンは王都から3日ほどかかるので、鉱石の採掘と大鍛冶設備の回収に行くのと並行して、先日と同様に大工と樵を呼んでカーヤの要望の小屋も追加する。

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