第103話 ゴースト
地下3階でも継続して反時計回りに探索を開始する。
早々に現れたのはCランク魔物のゴースト3体であった。
幽体であり通常武器の通常攻撃ではダメージを与えられないが、魔法、魔剣などの魔法武器、銀の武器ならばダメージを与えられる。また通常武器でも魔力を込める武技アーツならばダメージを与えられる。
ゴーストより上位のBランク魔物のレイスは、同じ幽体であり普通武器の場合では武技でもほぼダメージを与えることはできない。
事前にゴーストが出現する旨は確認済みであり、サラ以外は武技で攻撃することを認識していた。逆にそのおかげで、焦ることなく弓≪穿孔≫、剣≪斬撃≫などとサラの≪火炎≫を使用して、被害なく倒しきることができた。
サラたちは、幽体のため普段は魔石が見えないのに、倒したときには地面に魔石が落ちるという不思議現象も初めて経験する。
その後もゴーストの5体が出てきたときには苦戦をするも何とか探索を進める。ゴーストは物理攻撃ではなく恐怖状態など精神攻撃が主であり、被害を受けたときにはサラの魔法回復薬を使用することになった。
幽体であるゴーストには通常武具の盾が無効であるのに、つい回避ではなく盾を使ってしまうハリーやハルトがときどき恐怖状態になってしまっていた。
「怖い・・・」と、いつもは元気なハリーが隅で座り込むのは違和感があった。
昼休憩の際に扉を閉めて部屋にいたが、壁からも扉からもすり抜けてくるゴーストは居なかった。ダンジョンの壁と扉だからなのか、たまたまなのか不明ではあるが。
夕方にもなる前、地下3階の端のボス部屋以外は探索を完了する。サラの作成している地図上でも隙間は、剣山部屋以外に存在しない。
ボス部屋の前で休憩をとり、最後のボスに臨む。
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