第102話 マミー

ボス部屋で10体のマミーを5体に減らしたとはいえ、通常ならば遠距離の間に数を減らしたりダメージを与えたりしてから接近戦をするところであるのを、5体はほぼ無傷のまま接近となった。さらに相手はCランク魔物であり、まだ鉄級冒険者である6人よりは客観的には格上となるのにほぼ同数であり、危険な状態であるのは継続中である。


ハルトとハリーの盾≪挑発≫も格上には完全には効かず、攻撃力が強く敵対心を稼いでしまうサラにも漏れて向かう。アルクとリリーは弓を手放しそれぞれ山刀と槍でサラに向かったマミーを優先的に攻撃する。

ヘルムはマミーたちの後ろにまわり両手剣の≪斬撃≫≪連撃≫を惜しみなく使うことで敵対心を稼ぎ、サラへ向かうのを自分に向けさせるようにする。

ハルトとハリーも≪挑発≫だけでなく≪盾叩≫や片手剣の≪斬撃≫≪連撃≫を使い、≪受流≫を使わずに自分たちに向くように努力する。

サラは接近しすぎて炎上が怖いため≪火炎≫ではなく≪氷刃≫も使用して、マミーの数を減らしていく。


皆が息も切れ切れな状態ながら、何とかすべてを倒しきった後は、全員が何も言わず倒れこむ。しばらくそのままで休憩した後、サラが皆に≪治癒≫と魔法回復薬で回復してまわる。

その後ようやく

「あー、死ぬかと思った」

「サラ、ありがとうね」

などの言葉が出せるようになった。


皆が一息ついた後は、焦げ臭いこの部屋ではなく別の部屋で扉を閉めて野営にする。

恐る恐る翌朝にボス部屋を再度開けても、まだマミーたちは復活していなかった。


地下1階に引き続き、地下2階でもサラの作成した正確な地図も完成し、隙間が無いことをあらためて確認してから、地下3階に向かう。

購入した地図では、地下3階は地下2階のこれまた7割ほどの大きさ、つまり地下1階の半分ほどの大きさである。購入した地図では隙間は無いが、剣山の落とし穴部屋のことを踏まえると精度は不安である。

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