第101話 片手剣

明らかに雰囲気のある片手剣が隠し部屋で見つかったので、皆が浮かれる。


昼食休憩を兼ねるため、先に通った部屋に戻り、扉を閉めて≪灯り≫を更に追加する。

サラは自分の短剣のことを踏まえて、魔道具、魔剣である可能性を考え、魔法陣を探す。見た目には無かったが、柄を外すとやはり中に魔法陣が見つかった。記載されている魔術語は自身も使う≪火炎≫に似た火系統にみえた。

その旨を皆に告げる。


「ここに魔法陣があるから、これは魔道具。たぶん火系統の魔術語もある」

「すごい!」

「やったな!魔剣だぞ!」

と皆が喜ぶ。

「だけど詳細は分からない。呪われる可能性も否定できない」

とサラが言うと、

「使うのは帰って鑑定して貰ってからだな」

とヘルムは言い、

「仮に、な」

と片手剣使いのハルトに預ける。



その後も、地下2階の探索を継続し、またボス部屋だけを残してゾンビとマミーの討伐を続ける。

最後にボス部屋の前で休憩を取ってから、扉をあげて中に入る。


巨大なマミーが居たりはしなかったが、マミーが10体も居た。銅級冒険者がCランクを単独討伐、ということは銅級手前の6人には危険な状態ということである。

「やばい!」

と叫んだハルトは、マミーたちが近づく前に、できるだけ遠く側のマミーに油壷をあるだけ投げつけ、

「サラ、≪火炎≫を!」

と指示する。松明は壷や魔法ほど上手く飛ばせないからである。

奥の5体ほどが巨大な松明のように燃え上がることになった。そのまま≪火炎≫を継続しつつ、弓矢≪穿孔≫≪連射≫等で燃え盛るマミーから倒しきり、何とか半分の5体に減らしての接近戦に持ち込むことができた。

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