第914話 上級訓練場3

その後は隊長へエルを含めたダークエルフ達に、龍の棲む山へ進軍させてみる。

途中で森がなくなりそのまま斜面を登っていくとドレイク達の群れに遭遇する場所になるが、やはり上級魔法使い集団である彼らの敵では無かった。


「うーん、これだけだと訓練にならないわね」

「ワイバーンに挑戦させていくのも良いけど、せっかく広い場所だから、ダークエルフ以外の騎士団たちとの連携もさせてみたいね。バトルホースに騎乗したままや、騎乗できず歩行になった騎士団だけというのも面白いかも」

「ここに来るほどの上級者ですと、魔術師団員だけというよりはその方が良いかと」

騎士団長であるハリー、魔術師団長であるティアーヌとも相談をして、この訓練場の使い方を検討する。



いったんダークエルフ達を訓練場の転移陣を用いて代官地に帰還させる。

「こちらに転移陣を作ったのなら、ご実家の転移陣は無くされます?」

「そうねぇ、あっちは王都の本宅向けに作ってあるし。そうだ、使用者制限をすれば前みたいなことは無くなるわよね」

またしばらく魔法研究に打ち込めていなかったサラが新しい研究テーマを見つける。

「魔法の袋の使用者制限を真似していけば良いかしら。往復ともに、誰を対象にすれば良いかしら・・・」


隣人カーラ、師匠エミリーに相談しながら試行錯誤したことで、それほど時間もかからずにサラの父、兄達、兄嫁達など限られた者だけが王都の本宅宛の転移陣を使用できる制限を設定することが出来た。

村人達が万が一の時に逃げるとなると大量の受け入れも必要であるし、そこは使用者制限をせずに訓練場から代官地の別邸に転移できるままである。

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