第913話 上級訓練場2

無事に訓練場ができたので、試験的に運用を開始することにしてみた。


元々新しくドラセム家の従士団に入ったメンバには、先輩達による指導の後、いくつかの成長の手段があった。主には代官地近くの魔の森、王都ダンジョンである。

王都ダンジョンは一階から順番に深くになるにつれて魔物の強さがあがっていくのだが、時間制限がある上に他者も居ない、自分達も少人数、敵の種類も限られているというダンジョンであり、あくまでも基礎訓練が中心になる。

それに対して、代官地近くの魔の森やそこに存在するダンジョンの場合には、野営も含めて応用訓練もでき、奥に進めばかなり高ランクな魔物との戦闘も経験できていた。


今回はさらに上級の訓練場として、龍の棲む山のBランク魔物ドレイク、Aランク魔物ワイバーン、さらにはSランク魔物ドラゴンなどに挑戦する拠点であり、少なくともBランク、銀級冒険者相当以上になった者だけを参加可能とする。



条件に当てはまるメンバもそれなりにいるが、まずは第2魔術師隊としたダークエルフ達を呼ぶことにした。

隊長でもありダークエルフの村長でもあるへエルを筆頭に十数人を選別した。

「へエル、前にも来たエルフ村がこの近くになるの。この拠点を構えたことも含めて挨拶に行こうね」

「かしこまりました。確かになかなか交流を取れていなかったので、ぜひともお願いします」


この辺境のエルフ村の出身であるティアーヌ、村の血を引くアルベールとリリアナの3人も連れて、王都で購入した適当な手土産とともに訪問する。

「サラ様、お久しぶりでございます。アルベール達の違法奴隷の解除、誠にありがとうございました!また、この度のご婚約、大変喜ばしいことでございます。おめでとうございます!」

「まぁまぁそれらのお話は・・・。これからも隣人としてよろしくお願いしますね」

長らく交流が無かったエルフとダークエルフが仲良くしてくれるきっかけとなれば良いと思うサラであった。

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