第494話 ドレイク群2

翌日も東に進むなかで、少量のドレイクとは何度か遭遇するが難なく対処していく。また数匹のワイバーンが西に飛び立つのを見かけるたびにサラが≪飛翔≫で追いかけて始末することになった。


半日ほど進んだところで、今までの10mほどの幅ではなくかなり広い場所に出る。先ほどまでの南北の山だけでなくいくつかの山の合間になっている場所である。ここで、膨大な帝国軍の死体とドレイクの死体を発見する。かすかに息がある帝国兵が居たので、回復魔法で回復させたうえで話を聞く。

「おい、どういうことだこれは?」

「ドレイクの群れを王国側にけしかけるってことしか聞いていない。俺たち一般兵は帝国側に来ないように肉の壁に成らされたんだ。あの魔法使いの連中は、ドレイクの群れに攻撃をして興奮させたんだ。俺たちのことなんて考えずに・・・」

「その魔法使いたちはどこに行った?」

「ドレイク達だけでなくワイバーンもけしかけに、残った兵士を連れて行った」

と北の山の上の方を指差す。


この広場から少し南に登ったところはドレイクの棲み処だったようであり、所々に割られた卵が転がっていた。≪呪詛≫だけでなく卵を割ることでも興奮状態にさせたのだと思われる。

ドレイクと兵士の死体を魔法の袋に回収し、回収できない息がある兵士には回復をする。並行して、無事な卵を探したが残っていなかった。


残存兵たちは命を救ったサラたちを襲うことは無く、大人しく武装解除と縄による拘束を受け入れた。


小休憩の後は、残存兵たちを残して、北の山を登り始める。バトルホースならぬ一般の馬では山登りは現実的でないため、先ほどの広場でも歩兵のみであった。おそらくこの北の山を登る帝国兵たちもそうであると想像される。

はやる気持ちもあるが、魔法使いが複数いると思われるところにサラは≪飛翔≫で飛び込むことはせず、少ないながらに6人そろって敵と対峙できるよう皆と行動する。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る