第290話 皮革狩り

サラたちは魔の森の奥へ狩りに行くことにする。店舗には材料仕入れで不在にする旨の貼り紙をしておく。

ミーナにはまだ早い奥地にはなるが、1人留守番させるより経験のためにも連れて行くことにした。


オーク系やトロールなどの亜人系が今までは多かったが、皮革製品のための狩りであるので、いつもとは違った方向を目指す。冒険者ギルドでその旨を相談すると、Bランクではオルトロスやドレイクの遭遇情報がある地域を教えて貰えた。

オルトロスは頭が2つあり尻尾が蛇の黒い犬、3つ頭のケルベロスも有名であるがその弟分であり、ドレイクは地龍ともいわれる亜龍の一種である。


森の入口付近からその先のEランクやDランクではミーナも慣れたものであったが、その先のCランク魔物の白猿ホワイトエイプや牙虎サーベルタイガー等ではやはり腰が引けてしまっていた。敵の数が少なければ≪炎付与≫した片手剣による攻撃参加をさせ、多い時には遠隔攻撃のみにする。ただ短剣投擲ではほぼダメージを与えられないため、≪火球≫≪水刃≫≪風刃≫など魔法を中心に練習させることにした。

サラたち4人もCランク魔物であれば余裕をもって倒せるので、ミーナの訓練に付き添うのも問題が無かった。


いよいよBランク魔物が現れる地域になると、さすがに隊列も意識する。

ハリーとリリーとカーヤを前列にして、サラとミーナを後列、ロック鳥ガンは上空から警戒する。

最初に遭遇したのは、サラたちは経験済みのトロールであり、こん棒の振り回しによる範囲攻撃も認識していたため、ミーナに避難タイミングを指示して安全に倒すことができた。


次に遭遇したのはオルトロス3匹であった。危険性を感じてサラは水精霊シルビーと悪魔ストラデルの両方とも≪召喚≫し、皆それぞれ≪肉体強化≫などの武技を発動し、全力体制で臨んだ。完全に逃げ腰のミーナには≪結界≫で防御したまま離れたところで見学にさせた。

トロールに比べて動きが機敏であり、頭2つと尻尾の蛇による噛みつきだけでなく、炎を吐く範囲攻撃もあったので、攻撃タイミングが難しかったが、サラ・シルビー・ストラデルによる≪氷槍≫などで動きを制限することで、何とか殲滅することができた。

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