第141話 草原
月一回のダンジョン改変も終わってしばらくたち、地図も冒険者ギルドで購入できたので入手はしており、草原である旨も聞いてはいたのだが、それでも実物をみると驚くものである。
降りてきた階段の高さ以上に空は高く見える。
「どういうことだよ?」
「ちょっと待って、試してみる」
と、リリーが上に向かって矢を放つも、地上で矢を放ったのと同様に天井にぶつかることなく力を失うまで進んだ後、自然と落ちてきた。
「実空間より拡張する空間魔法か何かね」
と、気にしても仕方ないし、そういうものだと認識することにした。
この階層ではEランクの角兎ホーンラビットが中心であると言われており、何日もかけて完璧な地図をつくるかのように歩きつくすことは不要と判断している。サラたち3人は既に銅級であり魔物のCランク相当と言われているため、自分たちを鍛えるためにはCランク相当の21階以降に早々にたどり着きたいと考えていて、20階までは地図を用いて最短経路で進むつもりである。
現在の地図では、南東角が入口で現在位置、地下2階への階段は中央から北東よりの岩場の中にあるとなっている。草原のため直線に進めるので数時間で到着できるようであり、速足で進むことにする。
遠くに別の冒険者パーティーが戦闘しているのを何回か見かけ、自身たちも角兎、たまに魔猪と遭遇して撃退しながら進み、予定通り昼ぐらいに目的の岩場に到着した。
サラは悪魔魔法の≪毒≫や≪睡眠≫を訓練したかったが、食べることも考えて≪睡眠≫だけを多発することにした。
途中で倒した猪と兎をハリーが調味料を用いて焼いたものを昼食にした。
その後、階段を下りていくと、入口のときのように光る床があり、そこに立つとペンダントの無色透明であった石が木のような明るい茶色になった。そして部屋の扉をあけて外を見ると、またしても草原であった。
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