第142話 初転移
事前情報の通り、地下2階も草原であり、今度は地図の真ん中から南西の角に近い岩場にある地下3階の階段に向かうことになる。
地下3階までは草原で角兎が中心とのことであるため、午前中と同様に進むことにする。
午後でも他のパーティーを見かけるが、互いに干渉はせずそのまま進み、夕方には階段にたどり着く。このダンジョンでの初の野営をするか、出口へ帰ることを優先するか相談し、初日であるので帰還も経験することを選ぶことにした。
地下3階の最初の部屋の光る床に乗り、おそらく地下3階が記録されたであろうと思いつつ、出口と念じると、3人ともダンジョンの入口にあった出口に転移された。
初めての転移であり、目の前にあるものが一気に変わる違和感はあったが、乗り物酔いのような転移酔いと言われるものは感じずに済んだ。
そのまま地下1~2階で倒した角兎や魔猪の素材を冒険者ギルドの買い取り窓口に提出した。もちろん魔法の袋があるため、主要素材以外にかなりな部分を買い取りに出せたのだが、Eランク角兎の素材がほとんどであり今となっては少額に感じる貨幣を受け取って街中に戻る。
宿の夕食で
「無事の帰還、かんぱーい」
とお酒ではないがハリーが言い、
「とりあえずは無事にダンジョンから帰れたね」
「魔法練習には良かった。転移も興味深い」
と銘々の感想を言いあい、各部屋で訓練をして就寝する。
翌朝もそれぞれ神殿で、昨日の無事のお礼と、今日からの無事を祈願してから、ダンジョンの入口に並ぶ。
今日はペンダントに色が着いているからか、からかいはなく無事に入口までたどり着き、光る床の上で3階と念じて3階に転移される。出口に来るのは昨日に経験済みだが、3階まで同じ道を繰り返すことなく短縮されることに便利さを再度認識する。
今日も草原だと思って扉を開けて出る前に、サラが変な気配を感じ、2人に目配せをする。
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