第140話 ダンジョン侵入
階層記録のペンダントをぶら下げ、入口の列に並ぶ3人。
外見が幼いことと、ペンダントが無色透明であることを見られて、
「坊ちゃん、嬢ちゃん、立派な装備だけど初めてかい?お使いかい?」
とからかわれるが、人付き合いが上手なハリーは感情的にならず
「そう、このダンジョンは初めてなんです。何か気を付けることとか教えてくださると嬉しいです」
と返す。
「お金かその装備をくれれば教えてやるよ」
という者も居るが、街中の裏道でもなく朝の混みあうダンジョン入口ではさすがに周りの視線が厳しく
「冗談だよ、教えてやるよ」
となる。
先輩冒険者の話では、特に1~5階層辺りでは魔物ではなく盗賊に注意が必要とのことであった。初心者を狙い装備などを奪うということである。物陰から襲撃されることもあれば、親切なふりを装って人影のないところに誘い込んで襲撃されることもあるとのこと。ダンジョンは死体が吸収されるため犯罪の証拠が残りにくいので、街中よりも危険であると。
冒険者ギルドの受付でも注意喚起はされていたが、やはりその噂は本当のようである。他のダンジョンでも発生しうることであるが、このダンジョンでは高位冒険者は入口付近の階層は1度しか通らないで済む仕組みであり、盗賊たちにすると低リスクで襲撃ができるダンジョンのようである。
ハリーは丁寧にお礼を言い、自分たちの番が近づくのを待つ。順番に入口の光の床の上から人が消えていくのを見ていたが、自分たちは階層登録が出来ているわけでないため、正面の地下1階への階段を下りていく。
階段を下りる途中から、明るい草原が広がっていることに気付いた。今までのダンジョンでは基本的に洞窟や遺跡タイプであり、このタイプの実物を見るのは初めてなため、3人はしばらく呆然とするのであった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます