第139話 ワチエダンジョン
翌朝、3人はそれぞれ護符を購入した神の神殿にてダンジョン探索の無事を祈願してから、数日分の野営が可能な用意をしてダンジョンの入口に並ぶ。
入口は大きく3つに分かれている。1つは通常の入口、1つは出口、もう1つはサラ達のように初挑戦の者への受付になっていた。
初回受付に行くと、ダンジョンの壁面に並ぶ、無色透明になった魔石のような小指程度の大きさのものを1人1つ取るように指示され、それをペンダントとしてはめる金具付の首紐を渡される。確かに街中にはこのペンダントをしている冒険者ばかりであった。ただ、色がそれぞれ違った。
説明を聞くと、これを持って各階層の最初の部屋の光る床の上に行くと、到達階層を記録されるとのことであり、記録された最大到達階数により色が違うそうである。地下1~10階は木の意味の明るい茶色、地下11~20階は鉄の意味の黒色、地下21~30階は銅の意味の濃い茶色、地下31~40階は銀の意味の銀色になるようである。階層ごとに出現する魔物のランク、それぞれE・D・C・Bに対応する冒険者ランク、木・鉄・銅・銀と同じである。
このペンダントの使い方は、通常の入口でそのまま地下1階に向かうか、入口横の光る床で、登録された階層のうちで行きたい階層を念じてその階層に転移されるか、とのことである。帰るときも、各階層の最初の部屋の光る床の上で出口と念じて出口に戻ってくるらしい。
毎月ダンジョンの構造が変わることやこの階層移動の仕組みを踏まえて、このダンジョン自体が生物であり神のような存在と言う者も居る。通常ダンジョンのように死亡した冒険者や魔物が吸収されることも確認されているが、通常ダンジョンで言われるような周辺から魔素を集めた程度では考えられないほどの力が働いていることもあり、ダンジョン内外、特に内部にいる人間から信仰のように力を得ているか、内部の人間から少しずつ魔力を吸収しているのではないかとの説もある。
事実、魔力消費が速いと感じると言う者も居るが、地上空間より緊張を強いられ、何泊もするダンジョン内での消費を正確に把握はできず、解明には至っていない。
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