第637話 元海軍奴隷
結局王都ワーズに帰り着いたのは12月も下旬になった。
道中では時間があったため、それぞれ自主訓練を行いながら移動をしていた。
例えばメインパーティーでは、サラは王級土魔法で範囲攻撃の≪重力≫を、ティアーヌ、ミーナ、アルベール、リリアナは王級水魔法の≪霧氷≫を習得していた。ハリーは、今回引き連れている奴隷メンバに色々な育成を行っていた。
宰相に相談すると、元海軍幹部5人と元帝国軍人3人は情報収集のために差し出すことに。魔法使いは悪魔召喚などを踏まえると王国魔術師団では扱いきれないであろうとのことで、サラに管理を任されることになった。結果、悪魔召喚ができる者を含めた元悪魔教団の上級魔法使い3人、元海軍の幹部でない26人を自由にしてよいことに。
ハリーが、売るぐらいなら元軍人なら基礎があるであろうからと、26人ともドラセム家騎士団に引き取りたいとのこと。
結果、宰相に引き渡す8人以外が育成対象になったのである。
まずハリーが行ったのは、魔法使い3人も含めた全員へ騎乗の指導であった。もちろん軍人の中には元々騎乗できる者も居たので手分けして指導する。
それと合わせて、この元海軍を第2騎士隊にするために隊長を選抜する。26人の中には、宰相に渡すことになった幹部以外にも、海軍で隊長格を務めていた騎士爵令息が居た。周りの受けも悪くないので、そのミリアーノ・アスコーネに隊長を指名する。
そのミリアーノとも分担しながら、ハリーは騎乗訓練、武技等の訓練をする。
ドラセム家魔術師団長でもあるティアーヌは、年長組であるトリストフ、カロルの手も借りながら、新たな魔法使い3人の適性を確認しつつ、悪魔魔法に偏っていた習得状況から、属性魔法の指導も行う。3人とも上級魔法使いであり基礎はあったので、精霊たちとの契約を含めて順調に成長していった。
並行して、サラは水精霊シルビー経由で家宰ローデットに、代官地での20人宿舎の増設を依頼する。その第2騎士隊になるメンバの住居の確保である。建築が間に合わなければ、元暗殺者ギルドの屋敷が余っているので、それを使うつもりである。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます