第585話 バッソ男爵
商船員と海賊船の軍人の供述により証拠固めをした視察官は、サラたちを伴って男爵屋敷に乗り込む。
宰相からの令状を提示し、門番に門を開けさせて、男爵の執務室に案内をさせる。
男爵は覚悟をしていたのか白を切るためか抵抗はさせずに、執務室で視察官の話を大人しく聞く。
「トロメーテ・ド・バッソ男爵、宰相からの指示により、王都へ連行いたします」
「ほう、いかなる罪と言うことでしょうか」
「アルテーラ王国の海軍と共謀し、王国の領海において海賊行為を行っていることです」
「証拠はあるのですかな」
「連れて来い」
と視察官の指示により、それぞれ捕獲していた商船員と海賊船の軍人を執務室に呼ぶ。
「これでも白を切りますかな?」
「確かに私の商会の者と、最近バッソ港に良く出入りされるようになった方のようですが、それが何か?」
「申し開きは王都で行っていただこう」
男爵を確保した後、サラたちはまず倉庫に駆け付けて商船員と海賊船の軍人を追加で捕獲する。その上で、商船に行きこちらはあまり戦闘力が無いメンバばかりであるので、問題なく捕獲。ただ、その後の海賊船は一筋縄ではいかないと想像される。
既に捕獲した幹部を人質に連れて行くのと合わせて、海賊船のまわりを≪炎壁≫で多い、いつでも船を燃やせるという脅しもすることで投降を呼びかける。燃やしてしまう方が楽ではあるのだが、その海賊船も王国として有効活用したいとのことであるので、手間をかけることになった。
素直に投降に従わない者たちが甲板で抵抗を宣言するので、サラとティアーヌが≪飛翔≫で飛んだ上での水精霊シルビーも含めての≪氷結≫等により戦闘不能にすることで、実力差も見せつけて最終的に全員を捕獲することに成功する。
中には≪火槍≫など上級魔法が使える者が居たはずであるが、単独での抵抗は諦めた模様である。捕まえた後に確認すると、アルテーラ王国の海軍でもなく、魔法が使えることからの傭兵とのことであった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます