第579話 襲撃状況

陸に避難した8人は、サラの≪乾燥≫魔法や焚火で暖を取る。

「船は無くなりましたので、いったん港町ラブリニーに戻るしか無いですね」

「馬も置いて来たから歩きだね」

「この後のことはラブリニーに戻ってから代官を交えての相談にしましょう」

「え?レーベルク帝国に再度向かって貰えるのではないのですか?」

「今の状況で乗せてくれる船がまた見つかるかわかりません。その状況確認のためにもまずは戻りましょう」

神官2人もティアーヌの説明に反論できず、その後は仮眠を取った後、魔法袋にあった食料で軽く朝食をとり、ラブリニーに徒歩で向かう。


途中途中で遭遇する魔物や獣も食料に変えながらラブリニーに着いた頃には、1週間ほど経っていた。

ラブリニーの代官のところに訪問すると

「アッズーラ使節、ドラセム伯爵、ご無事だったのですね。襲撃された船の生存者は居ないと聞いたものですから」

「はい、何とかドラセム伯爵たちのお陰で」

「徒歩で戻って来ましたので時間がかかりました」

「レーベルク帝国に向かった使節団がますます心配です。何か情報がありませんか?」

「いえ、少なくとも私には」

「では、このラブリニーを出港した他の船たちの襲撃状況はいかがですか?帝国に向かうアルメルス神国の商船を他に探したいのですが」

「どうもアルメルス神国の船が狙い撃ちされているようです。ですので、神国の商船は新たに出港しようとしていません」

「そんな・・・」

「アッズーラ様たちは、今日のところはまずお休みください。こちらで手配いたします」



アッズーラ達を宿所に向かわせた後、代官はサラたちだけに話をする。

「宰相との連絡は継続されていますか?」

「はい、王都の仲間経由で。宰相も襲撃状況を知りたがっていました」

「先ほどお話した通り、どうも神国の船ばかりを狙っているようです。やはり神国と戦争中のガーライト王国の仕業なのでしょうか」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る