第136話 参拝
サラは魔術、精霊魔法、悪魔魔法を少しだけでも覚えたが、神霊魔法は習得していない。その意味で神、特に知識の神に興味がある。
リリーは毛皮加工や商人も将来に見据えているため、契約魔法なども司る商売の神に興味がある。
ハリーは純粋に強くなりたいことと料理を上手くなりたいことから、それぞれ戦の神、料理人の神に興味がある。
3人とも興味であり、敬虔な信仰では無いが、新しい街に来たついでに神殿に参拝することにする。
まずはリリーに従い、商売の神で一番有名なメーコリウスという女神の神殿に足を運ぶ。
サラとハリーは数枚の鉄貨で形ばかりのお祈りであるが、リリーは銅貨を捧げて
「商人として成功しますように」
と真剣にお祈りをする。
以降、戦の神マース、知識・魔法の女神ミネルバの神殿でそれぞれ、ハリーが「強くなれますように」、サラが「魔法・魔術の知識を極められますように」と銅貨を捧げて真剣にお祈りをする一方、残り2人は数枚の鉄貨で形ばかりのお祈りをする。
また、いずれの神殿でも3銅貨で護符を販売しており、神官は「これで、どこででも神にお祈りができます」と勧めてきた。3人はそれぞれメーコリウス、マース、ミネルバの護符を購入し、首から下げることにした。
□
参拝の後は、高かった宿に戻り料金に含まれる夕食を取る。微妙な味にがっかりしつつ、それぞれの部屋に戻り個々の訓練などをする。別部屋だが、湯あみのお湯だけはサラの魔法でハリーとリリーに提供する。サラは久しぶりの他者が居ない落ち着いた夜であり、他人に見られると面倒な空間魔法、複合魔法や悪魔魔法の訓練をする。
翌朝も付属の軽食を取った後は、護衛依頼の集合場所に向かう。
侯爵領都サノワールからダンジョン都市ワチエへの経路は、冒険者がたくさんいることがわかっているからか、盗賊はほぼ出ないという前評判の通り、ちょっとした魔物程度しか遭遇せず、無事に護衛を完了できた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます