第867話 ターフルダ侯爵一派対策2

女従士を送り込んだノイハイム伯爵については監視継続となったが、問題はターフルダ侯爵である。

「なぁ、つまりターフルダ侯爵の領民が困らないようにするけれど、困っていることを助けるのは良いのだろう?」

「もちろんだけど、どうするの?」

「フェルール様の嫁ぎ先、ヴィリアン侯爵領でやった魔物一掃をターフルダ侯爵領でもやれないかな?またやりたいって声が従士団の皆からあったし、さ」

「なるほど。ハリー様のおっしゃるように、ドラセム家に実害を及ぼす前に何かをする気にならないようにするのは一手かと」

「うーん、現地の冒険者の稼ぎ場所が無くなって困らないかな?」

「北部の魔の森側だけ対処して、主街道より南部には関与しなければ影響も少ないかと思います。またいっそのこと、私たちの代官地近くの魔の森で魔物間引きイベントを開催するとか。ここは我々が国から開拓の許可を与えられていますので、冒険者を交通費持ちで呼んでイベントをしても問題ないかと。ターフルダ侯爵領で同様のことをすると問題になりますが」

「いっそのこと、ターフルダ侯爵領の魔の森も開拓しちまうか、ははは」

「ですから、それは許可されていません・・・いえ、面白そうですね。魔物退治の際に魔の森を焼き払ってしまうだけならば問題にならないかも。調べてみますね」

「ローデットも悪乗りしないでね」


ローデットを中心に、国家官僚に問題ないことを確認しつつ、ターフルダ侯爵領での規則も派遣している従士団員から現地の冒険者ギルドなどへ確認させた。

結果、ターフルダ侯爵領北部の冒険者ギルドであるだけの魔物討伐依頼を受領しながら、過剰と思えるほど魔物一掃を行うことに決まった。

ヴィリアン侯爵領で実施した時のように、従士団員同士の連携の訓練にもなるため、代官地護衛隊以外で行こうとしたところ、護衛隊員からも参加希望が多数出たので、不満が出ないようにある程度交代で実施することが決定した。

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