第866話 ターフルダ侯爵一派対策
宰相から、調査結果はターフルダ侯爵の落ち度として認められる程度のことは無いと言われてしまったサラたち。今のところ直接的被害も受けていないのでそのままでも良いかとも思ったサラであるが、ローデットは言質を取りに行く。
「ノイハイム伯爵については、国王が厳秘としてサラ様を騎士爵から準男爵へ陞爵(しょうしゃく)された秘密を勝手に探ろうとしたのですから、罪に問えるのではないでしょうか」
「証拠があればな。ただし、守る努力を怠った場合はその者も罪に問われるからな」
「かしこまりました。またターフルダ侯爵ですが、もし魔物の間引き不足が原因といえる被害が出た場合、程度によっては処分をされるということでよろしいでしょうか」
「ふむ、その通りだ。流石にドラセム卿、政敵を積極的にどうするかまで思考する家臣まで擁(よう)しているようだな」
「え?あぁ、はい」
「はい、あくまでも客観的な事実を確認させて頂いたまでで、どうするというお話ではありませんので」
「うむ、それで良い。私も何かを指示したわけでないのは分かっておるよな」
「はい、もちろんでございます」
自宅に戻って皆と話す。
「いやぁ、さすがローデット。宰相とのやり取りに冷や冷やしたよ」
「ハリー様、我々はサラ様の敵になりうる者への対処案は常に複数用意しておきませんと」
「分かった。悪かった、ごめん」
「とは言え、宰相の思い通りにだけ動くわけにもいきません。サラ様はきっと関係のない住民の被害が出ることを望まれないと思いますし、完全に敵対したわけでない相手をこちらから陥れるつもりは無いかと思われますので」
「うん、そうね、一般住民に被害は出すのは絶対に反対よ」
「まず、リスチアンの女従士の件でノイハイム伯爵を罰する証拠集めですが、もし証拠をつかんでもおそらく奪爵(だっしゃく)どころか降爵(こうしゃく)にもならないと思います。それでもターフルダ侯爵一派への注意喚起にはなるかと思いますので、ならず者たちへの監視継続は行った方が良いかと」
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