第8話 触媒
「次は触媒の作成をしましょうね」
といい、サラに水蛇の牙を用意させる。
「洗浄して乾燥して粉砕して分離だから、調合とほとんど同じ手順よね」
と、牙2本ともを粉砕して不純物を分離した。
「水蛇の牙だから、低級の水魔法の触媒になるわね」
触媒は、魔法を使う際に消費する魔力を抑える効果がある。例えば水を生み出す魔法を使用する際に、体内の無属性魔力を水属性に変換して現象実現させるのだが、水属性の触媒を使用することで属性変換のロスを抑制できる。特に属性魔法では、触媒による効果が出やすい。
水蛇のように水生の魔物からは水魔法の触媒、鳥の魔物からは風魔法の触媒など、様々な触媒が存在する。触媒にもランクがあり、例えば素材になる魔物のランクが上がるほど触媒のランクも上がる。
極論では、励起された魔法回復薬は、水に溶けた回復魔法触媒を魔力で発動させた状態で維持したものであると言える。そのため、単なる回復薬と違い魔法回復薬は直ぐに効果がでる。
また魔法は、触媒以外にも、詠唱、魔法陣、杖や指輪や魔導書などの発動体を使用することで消費魔力を抑えたり、同じ消費魔力で効果を高くしたりすることもできる。逆に詠唱を無詠唱や簡易詠唱にすると効果が低下するか魔力消費が増えるが、同じ魔法を繰り返して習熟すると効果低下量を抑えられる。
魔法を含めた技術・スキルはランク付けされており、初級、中級、上級、王級、神級となる。その道の本職であれば中級、達人であれば上級以上であり、見習いでは初級かそれ未満である。
このランクは、その級になったら何かできるのではなく、相応しい熟練度になったときにその級と認められる資格認定タイプである。
まだ魔女見習いのサラは水魔法も初級未満であり、今回入手できた触媒を何に使うか悩ましく、保管しておくことにした。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます