第460話 運搬依頼
ヴァーヴ伯爵領の辺境への遠征の準備をしている間にリリーの誕生日が来る。
「あと1年で成人だが将来はどうするつもりなんだ?」
と兄ハリーからの問いに
「子供のときからの想いの、皮革職人・商人がメインで行きたいかな。サラのお陰でここまで来ているし、冒険者の兼務は続けるのはありと思っているけど」
と答えるリリーであった。
辺境へ出発前にサラは、留守番のローデットにミスリル貨1枚、金貨100枚分を渡しておく。留守番の戦馬バトルホース2頭の食費や様々な付き合い等に必要であれば使用するように、また性根が良く地頭が良いという犯罪奴隷の入荷連絡が来たら、ローデットの目線で確認して3人を上限に購入して育成しておくように頼む。
また、ミケラルド商会に大量納品に行った際に依頼された、ヴァーヴ伯爵領都への輸送物資を受け取りに行く。前回と違い、戦争用物資を魔法の袋に入れるわけでないので、荷馬車何十台分もの余力がある。
「帝国との戦争によりヴァーヴ伯爵領で不足がちな食料などであり、大量に領内に搬入することで、領民が必要物資の高騰に困らずに済む」
と言われるとなおさら引き受ける気になる。さすが大商人であり、自身の儲けだけでなく三方よしの思考である。
サラ、ハリー、ミーナ、アルベール、リリアナ、ティアーヌの6人はそれぞれ騎乗して辺境へ出発する。バトルホースの脚力のお陰で、ヴァーヴ伯爵領都には2週間で到着する。
まず伯爵の館に訪問して面会時間を約束すると、ミケラルド商会の支店に納品に行く。さすがに敷地に置ききれない量であったので、商会の持つ魔法の袋に入れつつ、受け取った横から不足している街や村にどんどん出発して行っていた。
ヴァーヴ伯爵に面会の時間になると、サラは
「王都で、帝国との戦争時の追加褒賞を頂きました。ありがとうございました」
とお礼を述べるも
「ふむ。少なかったであろう。それは、若くして評価され過ぎると他者からの妬みがあるため、我慢するようにな」
と諭される。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます