第459話 ティアーヌ帰郷準備

話を聞いているとティアーヌは長らく故郷のエルフの村に帰っていないというのと、アルベールとリリアナが自分のルーツであるエルフの村に行ってみたいという。

サラたちは魔術学校という制約も無くなったので、子爵になった報告をしに実家に行く意味も含めて、ヴァーヴ伯爵家の辺境に行くことを考える。


王都の冒険者ギルドでは精霊の祠の情報も無いし、先日の戦争のときのことを踏まえると遠征は行けるときに行かないとということで、ヴァーヴ伯爵家の執事には準備が整えば遠征する旨を連絡しておく。


遠征メンバを相談すると、今度もカーヤは職人業を優先で留守番、リリーも負けてられないと職人・商人業を優先して留守番を希望。そこで辺境に赴くのはサラ、ハリー、ミーナ、アルベールとリリアナ、ティアーヌの6人になる。

いずれも騎乗で移動するので、以前よりかなり速いと期待はするものの、戦争と違い自分たちの都合でしばらく不在にするので、魔法回復薬などの商材は大量生産をしてから出発することにする。

既に経済的に余力はあるが、奴隷メンバの自信につながることと、今後何があるか分からないため稼げるときに稼ぐこと、そしてカーヤとリリーの商人としての実績づくりのため等の様々な目的のためである。


対象は、サラは魔法回復薬と上級スクロール、ミーナ、アルベール、リリアナ、そしてティアーヌは羊皮紙と中級・初級スクロールである。

また留守番に残すカーヤのため、鉄鉱石を採掘し、サラが魔法で精製しておく。カーヤが火精霊ヨルバの協力で精製するよりも、まだサラの魔法精製の方が高品質なためである。


元々実力もあった上に、水精霊と風精霊が≪召喚≫できるようになったティアーヌは殲滅(せんめつ)力があるため、王都ダンジョンも次々と階層を深めて行き、アルベールとリリアナにも追いつき、3人揃って31階の森林エリアに到達する。そこのトロールも難なく倒すことで、3人とも晴れて銀級冒険者になる。


その過程で、アルベールとリリアナ、付き添いのミーナは≪氷壁≫≪炎壁≫をそれぞれ精霊魔法として習得、付き添いのハリーは≪火炎≫を習得し、それを繰り返し使用して習熟をはかった。

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