第606話 バスキ盗賊捕獲

たどり着いた商会では店舗側に客もいたが、衛兵の声掛けで客は帰らせつつ、裏口からも従業員は逃がさないように全員を連行する。

商会の主人の部屋には領軍の隊長格が居て騒いだが、明らかに関係があやしいため他の者と合わせて連行する。

商会には衛兵を何人か残して、衛兵の詰め所にサラたちも向かう。


こうして芋づる式に、盗賊、商人、領軍を捉えた上で、それぞれに厳しい尋問を行った結果、全体像があらわになった。


港町バスキでの中位規模の商会が更なる拡大をはかるため、裏の道に手を出した。

領軍にも内通者が居たため、盗賊の証拠が見つからないうちは領軍が手を出せないことを踏まえて、今まで放置されることになった。

証拠隠滅のためと攻撃力確保のためにBランク魔物を仕入れるのは商人が行い、盗賊に与えた。

悪事を認識して実行していたのは、盗賊、商人の一部、領軍の内通者であり、川のねぐらの使用人たちは強制させられていただけであった。川のねぐらで捕まえた荷運び人たちも直接の盗賊行為はしていなくても悪事を認識していた。港の倉庫に居た一部の者も悪事を認識していた。


衛兵がまとめた顛末書により、冒険者ギルドからの依頼書も達成報告をして少ないながらに報酬を貰う。ただ、経済的報酬は、盗賊たちの奴隷への売却益の方が当然高くなった。盗賊や商会の財産もサラたちの物になったからである。


商会の会頭は、愛人を囲うための別宅を持っていた。その愛人は例の領軍の隊長格の娘であり一緒に悪事を企んでいたため、愛人も犯罪奴隷になったので、その別宅は空き家になった。

そのため、サラたちの物になった主な接収物は、領軍の隊長格の屋敷、川のねぐら、川の輸送船、バスキの倉庫、商会店舗、別宅、そして海の輸送船である。

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