第253話 住環境
その日は続けて2階層、3階層を踏破してから、買い取り所に向かう。
2階も草原で角兎、3階も草原でゴブリンが出現し、それぞれのボスエリア殲滅時の宝箱には通常武器の弓矢と中級魔法回復薬が入っていた。1階の通常片手剣も合わせて、買い取り所で鑑定した上で売却した。
「ワチエダンジョンと違って進むのは早いね」
「だんだん時間制限が難しくなるんじゃない?」
「階層ごとのタイプや出現する魔物もワチエダンジョンと同じなのかな」
「確かに最初は草原で角兎と魔猪だったからね」
まだ慣れていないので、今日は早めにダンジョン挑戦も切り上げて、王都での食事処を探すことにした。今の宿は食事もつかないうえに調理する場所も無いからである。
この時間では飲み屋になっているところばかりで食事のみの場所があまりなく、さまよう羽目になった。若い4人のみが従魔を連れて飲み屋に行くとトラブルのもとでしか無いと思われるからである。ようやく見つけた店も少し裏道の見た目から寂れた感じで、味も満足できるものでは無かった。
「明日はダンジョンではなく住環境だ!」
「そうね。食事は重要よね」
とガッカリしながら宿に戻る。その夜も、銀貨1枚の額にもかかわらず、周りの喧騒が聞こえてきて静かに寝ることができなかった。ますます宿探しの意欲を高めて冒険者ギルドに改めて推奨の宿を確認に行く。
「王都は物価が高いので。治安がある程度確保できることを優先してご紹介したのですが。これ以上をお望みの場合、一泊の金額がグンとあがりますよ」
とギルド職員に言われてしまう。金貨も十分所持しているしお金が無いわけではないが、ずっと滞在することを踏まえると節約はした方が良いと悩む。
ゲレの街で始めようとした借家暮らしが頭に浮かび、職員に宿ではなく借家について聞くと、4人で住む広さならば月々銀貨10枚から各種あるという。宿よりも安くなるが、宿のように気軽に変えるわけにはいかないので、慎重になる必要がある。
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