魔女サラ
第130話 魔法袋
エミリーは出発準備をするサラに自身の魔法の袋を与える。
「どうして?」
「魔法使いの見習いを卒業したお祝い。本当は魔法発動体を送るのが多いのだけど、サラには魔剣があるしね」
「でも、エミリーが困るのでは?」
「だから、もうしばらく空間魔法の魔導書を貸しておいてね。実は≪拡張≫を習熟しかけているの。元の容量を5倍ぐらいに拡張するまでは作れるようになったの。もう少し頑張って、さらには上級≪収納≫まで頑張りたいわね」
と笑いながら、サラの身分証明の「魔女エミリーの見習い」を「魔女エミリー 副店長」に変える。
「銅級冒険者の証があれば不要かもね」
と言いながら。
「これは使用者制限がついていて、他人が勝手に出し入れできないの。サラに変えておくね」
と何かを唱えた。
「ほら使ってみて。中身はおまけよ。手を入れて」
サラは魔法袋に手を入れてみる。通常の袋に手を入れてまさぐる感じであり、単なる腰袋のはずが1人ベッド分ほどの広さで自分の身長ほどの高さぐらいの大きさに感じる。
「≪拡張≫は収納物を手さぐりになるの。上級の≪収納≫は袋だけでなく指輪や腕輪に付与できるだけあって、手探りはせずに収納物を意識するだけで出し入れできるようになるの。楽しみでしょ」
サラは、手につかめたものを取り出すと、小さな布袋であり中身は金貨5枚であった。
「何かあったときには使ってね」
「これはハリーとリリーにあげてね。5倍の容量の背負袋よ。空間魔法は国に目をつけられるから、古代遺跡のダンジョンで見つけたと言いなさいね。使用者制限は無いから気をつけて貰って」
名前も伝わらないほど太古に栄えていた古代魔法帝国の遺産ということである。たまにダンジョンで見つかる魔道具はだいたいこれであり、空間魔法の魔導書も、魔剣ストラデルの祭壇の魔法陣も、領都近くの骸骨の遺跡の壁面魔法陣もそうである。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます