第42話 推理

自己紹介も終わり

「では、受付で話したことも含めて、もう一度話してくれるかな」

と、ヤニクから促される。


そこでリリーが、森の奥の遺跡に行ったこと。中心の建物の地下に扉があり、侵入すると骸骨と戦闘になったこと。倒したら、中には他の骸骨と、壁と床の魔法陣、机に書籍があったことを簡潔に説明した。

その上で、骸骨たちが持っていた武器、書籍、骸骨の魔石を目の前に並べる。


「魔法陣はどんなのだったかな」

というモーリックに対して、渋るサラをリリーが促して、記録した魔法陣も提示する。

「ほう、これはすごい。かなり正確に転写したのだね」

とサラを褒める。


しばらくヤニクとモーニックがそれぞれの品を確認した上で、推理した内容を説明する。


この魔石は骸骨スケルトンで間違いない。

また魔導書は床の魔法陣と同じで、悪魔魔法の一種である死霊魔法(もしくは魔術)によりスケルトンを生み出すもの、壁の魔法陣もそれに近いが魔素を集める機能もあるようである。

武器は古いものではなく最近の安いものであった。


あの遺跡は以前から夜になるとアンデッドが湧くと言われており、古い方の魔法陣が原因であったと推測される。

それを知ったある魔法使いが床に新しい魔法陣をかいて実験か何かをした。駆け出し冒険者か狩人かが被害にあって、武器を持つアンデッドが増えた。

アンデッドが昼間に動くには魔力を消耗するため、見張りとして1体だけが動いていた。動いていない骸骨に魔石が無かったということは、魔素の集約機能の制約、夜だけが有効に機能する等なのかもしれない。

貴重な魔導書が残っていたことから、その魔法使いには何かトラブルがあったのであろう。そのアンデッドの1体になったか、どこかに行って生きているかまではわからないが。


いずれにせよ、どれも推測に過ぎないがね、と念押しされる。

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