第811話 王級スクロール2
王級スクロールの製作に挑戦するも上手く行かないので、師匠エミリーと魔道具屋カーラの2人に相談する。サラにとっての魔法に関する身近な相談相手はこの2人と、魔術学校の学校長クレオンダぐらいである。
「ふーん、これが発動前と発動後のスクロールね」
「確かに、王級の方は所々こげたような感じだね。王級と上級で一番違うのは消費する魔力かな」
「さすが王級の魔法使いのエミリー様」
「カーラだって商人ではなく冒険者の道を選んでいたら、簡単にたどり着いたはずよ・・・」
「それはどうかな。それよりも、その多くなっている魔力消費に材料が追い付いていないのかもね。インクより羊皮紙や魔石かな。どんな魔物の皮や魔石を使っているの?」
「え?あまり気にしていませんでした。そのときに余っている魔石とか、リリー達が作ってくれていた羊皮紙とかで」
「その品質を高い物にしてみたらどうかな?」
貰ったアイデアをもとに、リリーに一番上位の羊皮紙を頼むとBランク魔物がありものであるというので、羊皮紙と魔石をそれぞれ違うランクの素材で作成してみる。
そのBランク羊皮紙にD、C、B、Aランク魔石を組み合わせたところ、Bランク以下の魔石を砕いたインクでは先に試したようにくすぶりがあった。上位魔石になるほど焦げた感じの場所が少ないのでAランク魔石に期待すると、今度は魔法陣の形に綺麗に焦げ付いた。
仕方ないのでドラゴンのドンの食事かねがねAランク魔物であるワイバーンを狩りに、レーベルク帝国との境界の龍の棲む山に行き、入手した皮の処理をリリーに頼む。
リリーから出来上がった羊皮紙を貰ったらさっそく試してみると、今度は焦げ付くこともなく無事に王級魔法を発動することができた。
成功したことそのものと、これでますます仲間たちの魔法習得を効率化できることを喜びつつ、報告とお礼のために隣のカーラの魔道具店に完成品を持って駆け込む。
すると、そこにはあまり見たくなかった顔があった。
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