第812話 不審客
成功した王級スクロールを持って隣宅カーラの魔道具店に入ると、そこに居たのはロンと名乗っていた怪しい客であった。カーラの店で出会った以外に、サラの誕生日にも参加していた不審人物である。
「あらサラ、いらっしゃい。え?成功したの?」
「なんだ、水属性魔法のスクロールか。ん?この複雑さは?しかもこの単語は範囲指定?なんだと、王級魔法のスクロールか!」
「勝手に取らないでください」
と怒りつつも、相変わらず魔法に関する知識と勘の良さには驚かされる。
「だいたいあなたはどなたなんですか?」
「先日カーラも紹介したようにロンという者だが」
「私の誕生日パーティーに何で参加していたのですか?」
「普通に招待されていたからだが」
「私はあなたをお誘いした覚えがありません」
「そうだったのか、まぁ良いではないか。それよりお茶か食事にでも行かないか?その辺りや、そのスクロールについて2人でゆっくり話そうではないか?」
「サラを渡しはしないわよ!」
カーラが間に入って、両手を広げて守ってくれる。
「やれやれ嫌われたものだな。それよりカーラ、話の続きだがドラゴンの牙の入手は難しそうか?」
「ご存知の通り、そうそう市場に出るものではありませんので」
「そうか?そちらのお嬢さんにお願いすれば直ぐと思うのだが」
「カーラさん、この人、本当に何者なんですか?私のこと知っているみたいですよ」
「本名も拠点も教えて貰えない、お金や知識のあるお客様としか・・・」
「で、ドラゴンの牙を入手したら何に使うのですか?」
「教えたら、くれるのかい?」
「内容によります」
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