第604話 バスキ盗賊屋敷

埒(らち)が明かなく面倒になったハリーが、こっそりとサラに

「もう≪魅了≫で聞こうよ」

「しかたないわね」

と、リーダーらしき者だけを馬車の裏に連れて行き≪魅了≫を使って話を聞く。


どうも、近くにねぐらがあり、そこから川に荷物を積んで港町バスキの倉庫に運び入れていたらしい。商人や馬たちは本当にドレイクに食べさせていたようである。

かさばる馬車等は仲間のドワーフに処理をさせているとのこと。

この7人は襲撃部隊であり、親分はねぐらに残っているらしく、港町での商人たちとのやり取りの詳細は知らないらしい。従魔のドレイクもその商人から貰ったらしい。


ドレイクの死体は魔法の袋に収納し、7人の盗賊は縛り上げて馬車に乗せると、近くにあるというねぐらに向かう。森の中から川に向かう細道の先に、そのねぐらはあった。

川に面した敷地で、川から水路を引き込むような船着き場もあり、運搬用の船も見える。


一網打尽にしたいので、船と細道のそれぞれから敷地に侵入することにする。

≪飛翔≫でサラとティアーヌが船に向かい、ハリーとミーナが道のまま向かい、残るアルベールとリリアナは盗賊たちの馬小屋のある庭から敷地に侵入する。

船には人が居なかったようで、門番に居た2人とハリーたちのみが戦闘になるが、すぐに制圧し、縛り上げてその場に転がしておく。

アルベールたちが倉庫の中を確認すると、武器を持たない数人の荷運び人らしき人物を見つけるが、すぐに降参されたのでこちらも縛り上げて転がしておく。


そのまま、ハリーたちは正面玄関、サラたちとアルベールたちはそれぞれ別の出入口から分かれて屋敷に侵入する。

騒ぎに気付いた者のうち、船で逃げようとしたボスたちはサラたちと、囮として迎え撃つように指示された盗賊たちはハリーたちと遭遇するが、数合も打ち合わないうちに制圧する。

アルベールたちが侵入したところは使用人たちがおびえていただけだが、念のため縛り上げておく。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る