第603話 バスキ盗賊2

人間の盗賊が何人か居るだけと想定して、それならば全員を気絶させるなど戦闘不能にした上で、塒(ねぐら)に案内させるよう段取りをしていたサラたち。

思いもよらずBランクの従魔が複数いたので、御者台から判断を待っているアルベールとリリアナ。


「予定変更だけど、魔物は倒した上で、人間だけは予定通りにしましょう」

というティアーヌの意見に皆が頷き、荷馬車から飛び出す4人。アルベールとリリアナも戦闘態勢に入る。


「お前たち、このドレイク達が見えないのか?」

「それがどうしたの?」

「ええーい、仕方ない、やってしまえ!」

と、道の先にならんだドレイク達が口から炎を吐いてくるが、≪氷壁≫で難なく防いだ上に、≪氷槍≫≪氷結≫などで盗賊やドレイクに対して攻撃を行う。

サラは≪雷撃≫の範囲攻撃である≪爆雷≫を、殺傷力を減らしてしびれる程度にした上で盗賊たちに当てて戦闘不能にさせる。

馬車の後ろに出てきて逃げ道をふさごうとしていた2人は、ハリーが体術武技≪縮地≫で意表をついて接近した上で、剣で殴りつけて気絶させる。


ドレイク3頭以外に居た盗賊7人も早々に戦闘不能にした上で、武器を奪って縛り付けた上でリーダーらしき人物を起こして話を聞く。

「最近この道で商隊を襲っていたのはあなたたち?」

「・・・」

「答えないならば、別の人に聞こうかしら」

と別の盗賊を叩き起こして同じことを聞く。

「俺たちだったらどうだと言うんだ?」

「襲われた人たちはどこにいる?」

「ふん、あいつらの腹の中だよ」

とドレイクの死体を示す。

「商隊の荷はどこ?ねぐらかしら?」

「・・・」

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