第764話 ダラム緊急事態

首都ダラムに到着すると確かに周りが騒然としている。

ただ、ガーライト王国の将兵との衝突が問題では無いようである。兵士たちは外壁に向かって走っており、外壁の方から煙が出ているからである。

緊急事態であることは見てわかるので、後で叱られるかもしれないが、急ぎその煙が出ているところまで皆で≪飛翔≫で急ぎ駆け付ける。


首都と外部との外壁の上にたどり着くと、ダラムのまわりに魔物が押し寄せていることが分かる。

「なんで?村々に散ったんでは?」

「こっそりと目的地のダラムに来ていたのでしょうね」

「あそこ、ダークエルフが居る!」

城門に対して強力な攻撃魔法を飛ばして来ているのが見える。

ガーライト王国の将兵たちも神国の将兵と協力して城壁から弓矢を射たり、魔物が居ない門からまわって来て切り込んだりしている。


サラたちは精霊たちも≪召喚≫して、そのまま≪飛翔≫で魔物たちの上から攻撃を開始する。サラはドラゴンのドンを首都から南西方面に少し離れたところへ降りて来させた上で、魔物の軍勢にブレスをまき散らさせる。

ドラゴンが首都の近くに来たことにより神国の者たちにも衝撃が走るが、魔物へ攻撃していることから味方と思ったのか士気はあがる。ガーライト王国の将兵たちは既に認知しているのでそのまま攻撃を継続する。

一方、魔物の軍勢は、サラたちからの強力な魔法攻撃が始まっただけでなく、ドラゴンにより強力なブレスを受けることになり、士気を保つことができずに、撤退を開始する。


あまり深追いしない程度に追撃した上で、アルメルス神国、ガーライト王国、サラたちそれぞれは首都ダラムの中に撤収する。ドラゴンのドンは、まだダラムに入ると混乱させるであろうから、ダラムのまわりで倒したオークたちの死体を食事にするように指示しておく。


引き上げて来た各軍の指揮官たちが集まり、軍議が開かれることになった。それより先に、サラは王国からの使節団、そして王都に居る宰相にガーライト王国からの援軍、そしてその際にドラゴンも従魔にしたことを報告してある。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る