第864話 ターフルダ侯爵領調査2
ターフルダ侯爵領のあちこちの街や村から騎士団を見かけなくなったという話が集まる一方、領都では逆のようであった。
「最近、騎士団をよく見かけるようになったよな。街でも主要な道を馬車で通るときには気をつけないと」
「そうだな。訓練場で今までに見たことが無い規模の数を見かけたぞ」
「あぁ俺もだ。しかも訓練場の端の方では魔法使いたちが訓練していたみたいだぞ。俺、あんな炎を始めてみたよ」
「え?ここの領軍にそんな魔法使いが居たっけ?俺も今度見に行くわ」
報告を受けた王都でのサラ達。
「ノイハイム伯爵が魔女を送り込んで来たことも併せて考えると、ターフルダ侯爵一派に急に魔法使いが増えたということでしょうか」
「サラの魔法使い養成方法がバレた?でも、漏らしてはいなかったのよね?」
「あの女従士から漏れていなくても、宮廷魔術師団にも一派が居るのかもしれないし、そもそも別の理由かも」
「つまり?」
「またしても、あの悪魔教団の生き残りとか、神国の神聖騎士団の裏部隊の生き残りとか」
「確かに、どれもあり得そう」
「元悪魔教団メンバと、元神聖騎士団メンバに顔を見に行って貰おうか」
翌日、領都に派遣していたメンバが訓練場の近くに行き、魔法訓練をしているのを遠目に確認すると精霊を≪召喚≫して転移座標を確認。そこを目指してサラが王都に残っていた元悪魔教団員と元神聖騎士団員を≪転移≫して連れて行く。
軍事訓練を覗き見たと言われると面倒になりえるので、王級光魔法≪透明化≫で姿を消して近づき、訓練を行っている魔法使い達の顔を確認させる。
「何人かは見覚えがあります。名前までは分からないですが」
「同じく、何人かは」
見かけた5人のうち4人までは元悪魔教団員であると確認することが出来た。
まさかと思い、代官地に元悪魔教団員を集めて、寄子貴族リスチアンの女従士の顔を遠目に確認させると、あの美人には見覚えがあると何人かが応える。
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