第863話 ターフルダ侯爵領調査
神級魔法のスクロールの作成を確認できたが、流石に一般販売するわけにはいかない。神級魔法を発動できる魔力がある者もそうそう居ないのと、自身の魔力を使わないための魔法ランクと同ランク魔物の魔石とセットでという販売方法はまだあまり広めていないのもある。
また、宰相に相談するまでもなく、そもそも神級魔法を使える者を国家の管理対象外にすることは許可されないと理解するからである。
そこで興味としての実験に満足して、これからもサラが神級魔法を新しく覚えた際には仲間への展開が継続してできるとだけ覚えておくことにする。
その後は予定通り神級魔法回復薬をサラが調合し、王級魔法のスクロールを仲間と手分けして作成、特級以下の魔法回復薬は仲間が調合して、それらをミケラルド商会へ納品に行くことで、ターフルダ侯爵一派に対して日常生活を送っている素振りをしておく。
一方、バトルホースの足の速さを活かしてターフルダ侯爵領に到着したドラセム家の第1騎士隊は、帝国将兵などの知った顔と出くわす可能性を考慮して、目深にローブを被った冒険者パーティーを装い、領内のあちこちの街や村に散らばる。
そこで適当な魔物討伐などの依頼をこなしながら、冒険者ギルド内や街中での噂話や雰囲気を探る。
「最近どうも魔物が増えているんですよ。腕に自信がおありのようなので、ぜひともどんどん討伐して行ってください」
「何か心当たりはあるのかい?魔物氾濫スタンピードの可能性もあるとヤバいだろう?」
「そうですねぇ。氾濫というほどの数でも無いですし、しいて言うならば騎士団による魔物の間引きが減ったからでしょうか」
「騎士団が?」
「最近見かけないような気がしますので」
「そう言われるといつから見ていないんだろう」
精霊による伝言で、領内のあちこちから似た話があがってくるのを確認できた。
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