第422話 平原再衝突

荷馬車や死体を魔法袋にしまい、魔法使いには再度≪催眠≫をして捕虜にして街内に連れ帰る。

必要な情報を引き出すのに、素人の自分たち以外の方がふさわしいと考えたからであり、帝国軍に残っている魔法使いが20人ほどらしいこと等と合わせて代官たちに引き渡す。


その夜はさらに2つの砦を巡回しても何事も無く、街に戻って眠ったサラたちだが、少し遅くまで寝ていると騒動で起こされる。

昨夜連れ帰った魔法使いが暴れたようである。魔法発動体は取り上げていたが、≪火炎≫などをまき散らしたようである。何人も負傷したが幸い死者は無かったらしく、回復魔法で治療しに行く。捕虜はその騒ぎで殺してしまったそうで、残念ながら結局たいして追加情報は得られなかったようである。



その後の軍議で、空きとしていた砦にも王国兵を再度配置して井戸を守ることになった。何百人もの兵士が街から密かに出るには、いつものように夜のうちに城壁から降ろすことになり、サラが≪浮遊≫を連発することが決まった。


しかし、その昼間、前回の敗北後にも更なる増員がされた平原の王国軍に対して帝国軍が戦闘をしかけた。兵糧もしくは水が不足しての短期決戦を狙ったのであろうか。

当然、挟撃を恐れる帝国軍は街にも攻めて来たが、前回同様に城壁からサラたちの魔法攻撃で撃退したのち、3,000人を突撃させる。サラたちも城壁から降りて城門から出る際、戦馬バトルホースたちを呼び寄せて平原に向かう。


約8,500人に減った帝国軍が、平原の王国軍に攻撃するので、合計兵士数はほぼ同等であるが、やはり平原の王国軍は帝国軍の魔法攻撃に押されている。

街から見て左手奥の王国軍に対して正面の帝国軍が攻めているため、右手奥には荷馬車などが残ることになる。サラたちはバトルホースの機動力を活かして、正面より右手奥に向かい、精霊たち召喚4体による攻撃を行うと、慌てた帝国軍は平原の王国軍への攻撃をやめて、馬車などのある本陣の方に戻って来ることになった。


サラたちは深追いをせず、街の王国軍と共に早々に街に引き上げることにした。

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