第127話 今後

村を離れ、乗合馬車などがある最寄りの街まで、借りた馬車を進める。最寄りの街では、村長の書いた衛兵への報告書を届けておく。


サラは12歳から魔術学校に行く方向という話をしたが、ハリーとリリーはどうするのか?とエミリーが問いかける。

「2人とも簡単でも水魔法などが使えるのであれば、入学資格はある」

と言われるも、ハリーは

「自分には魔法の才能は先が見えないから、その間も剣士の方を鍛える」

と返事をする。1人、一つ年上であり前から考えていたようで、即答である。

リリーは

「もうすぐ10歳になるところだし、あまり考えていない。サラと一緒には居たい」

と答える。

「ま、あと1年ほど冒険者をしながら考えるのでも良いわよ」

とまとめる。


復路は、落ち込んだ気持ちを盛り上げる意味もあり、エミリーが知る限りの冒険者向けの行先の例を伝える。銅級になったのであれば、今は領都とゲレぐらいしか拠点にしていないが、その伯爵領を出て更に魔物が強い地方に行く、風光明媚な地方を旅行しながら知見を広めるという選択肢も提示される。

往路と少し違う復路で、様々な街を通るルートをエミリーは組んでくれて、街ごとに様相が違う、通る風景も全く違うことを体験させる。

乗合馬車や商隊護衛で一緒になった他の冒険者や商人たちとも積極的に話をさせて、世界は広いこと、選択肢は様々にあることをエミリーは若い3人に伝える。


決して、ローラの復讐のためだけに固執する生き方だけはしないように、という思いからである。


領都に無事に戻り、ハリーたちの両親にも諸々の話を伝える。

宿屋を営む両親も、宿屋を継ぐ兄が他に居るため、この兄妹の行先は悩みながら、ある程度自由にさせてあげようと考えていた。

元の想定の中に魔術学校は無かったため、今後は候補に入れないと、とはなったが。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る