第950話 ゴブリン氾濫対策
ゴブリンのダンジョンを中心に四方八方にゴブリン村ができていることは確認しており、地図にも記録してある。
まず最寄りの人間の村に、ハリーが冒険者身分証を見せてゴブリン退治に来ていることだけ通知して来る。
「金級冒険者!?はぁ?本物?」
村ではなかなか見る機会もない高そうな装備、ミスリル短剣等も見せて
「ちょっと騒々しくなるかもしれないが、気にしないで欲しい」
と伝えておく。
ハリーが説明に行っている間に、騎馬で来ている部隊を遠方の村に、徒歩を近くの村に送り込み、順次戦闘に突入していく。
「Eランクだろう?こんなチビのゴブリンに正規軍が時間を取られるな!」
隊長たちのハッパもかかるが、確かに日頃の訓練、Cランク相当の龍牙兵などに比べたら装備も適当なゴブリン相手では後れを取ることはあり得ない、と皆も考えて数の暴力も含めて次々に村を殲滅していく。
ハリーもワイバーンの背から見下ろして順調な様子を見てほっとする。
練度が不十分な者が少しミスをしても、その隙をゴブリンがついてくる前に、近くの別の兵がそのゴブリンに剣を突き刺すぐらい、数でも圧倒している。
ただ、もしゴブリンの剣に毒が塗られている場合のこと等も踏まえて、村をつぶすごとにゴブリン村に火をつけて焼却するのとあわせて、回復魔法で治療する時間を確実に確保することで、戦闘で興奮しすぎている兵士たちの頭を少し冷静にさせながら、進軍を続ける。
ゴブリン方面の地上は問題なく進捗している。一方、トリストフ達のダンジョン攻略も順調である。
トリストフ達は元々暗殺者ギルドのメンバであったこともあり、魔法だけでなく武器もそれなりに扱える。ゴブリン程度であればその武器でも倒すことは簡単であるが、攻略時間短縮を優先ということで、魔力を惜しまず攻撃魔法を乱発している。その程度で魔力切れになる心配はないが、その場合でも魔力回復薬が十分に魔法の袋に保管されている。
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