第949話 氾濫対策

「じゃあゴブリンの方はハリーを中心に2,000人の領軍で地上対応ということね。いったんは人間の村がある辺りに転移するから、ゴブリン村をそれぞれ殲滅していってね。ワイバーンのワンも転移しておくから、上空から見たり焼き払ったり、お願いね」

「任せておけ」

「で、トリストフの部隊にゴブリンダンジョンの踏破をお願いするわね。中の殲滅は後からで、まずダンジョンコアを目指してね」

「かしこまりました」

「ルーカイ、ミリアーノ、ジルベーレたち近衛騎士たちとヘエルたちダークエルフたちはオーク村の殲滅をお願いね。地図のこの辺にそれぞれを転移するから、後はうまく動いてね」

「はい!」

「ティアーヌ、エロニムス達は私と一緒にオークダンジョンの踏破ね。こちらもダンジョンコアを目指すわ。でも何人かはそれぞれの部隊へ精霊経由の伝令担当として散らばってね」

「わかりました」

「で、ゴブリンとオークが終われば、リザードマンね。Eランクのゴブリン、Dランクのオークと違って、Cランクのリザードマンは領軍にとって難しいかもしれないから、数をいかして人間の村への防波堤の構築になるだろうけど」

「ま、そんなところだろう。よし、皆、いつもみたいに命だけ大事にな。少々の怪我なら治して貰えるからな。たとえ逃げても後ろがいっぱいいるから大丈夫だ」



領軍の幹部も含めて、今回の作戦の全体の配置等が意識合わせできたところで、2,000人の≪転移≫に入る。ローデット達が用意した食料などの馬車等も含めての大部隊の転移は未経験者がほとんどであり、まったく見たことがない他国の草原に移動したときには周りを見渡して驚いていた。

そこへワイバーンに乗ったハリーが上空からハッパをかける。

「近衛たちだけに手柄を奪われたくないだろう?こちらは10倍以上の2,000人も居るんだ。早々にゴブリンなんか殲滅して訓練の成果を見せつけてやろう!」


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