第951話 オーク氾濫対策

オークダンジョンに最寄りの人間の村にも、サラたちが訪問している。

サラの名前はどこで知られているかわからないため、トラブル防止のためにも男性のアルベールが金級冒険者の身分証を見せるが、こちらでも信じて貰えない。

「もし偽物でも、オークが減ったら嬉しいでしょう?遠くで火とかが見えるかもしれないけれど、オークがその分だけ減っているのかと思っておいてね」

と宣言して説得を終える。


ゴブリン村の方と違い、こちらの近衛騎士やダークエルフたちは領軍に比べて数も少ないのと、相手が一つ上のDランクのオークであること、さらには森の木々に阻まれてオークの発見が大変と色々と厳しい条件である。

「とはいっても、サラ様の近衛であり精鋭と認めらえた経験豊富な我々が領軍に負けるわけにいかない!」

「森でエルフが他者に引けを取るわけにいかない!」

それぞれの想いもあり、森にまぎれた半端はおいておきオーク村だけは殲滅しきることを目指している。≪浮遊≫≪飛翔≫ができる者が居るので、先にサラたちがオーク村の場所を記録した地図に対して現在位置も都度確認しながら進んでいる。

帝国民に見られることもないように、彼らの村から遠いオーク村にはドラゴンのドンを派遣している。オークを食い散らかした後には炎のブレスで粗雑な家々も焼き払っていて、腹も満たされるからか楽しそうである。


オークダンジョンに潜ったサラたちは遠慮が無い。時間優先にしたこともあり、他人の目も無いことから、精霊たちだけでなく悪魔たちも遠慮なく召喚している。枝分かれしたそれぞれの先に対して人員を分散する余裕がないところは召喚した者たちを次々に送り込み、行き止まりを確認しながら、途中で遭遇したオークたちは瞬殺していく。

ゴブリンの方と違い、オークの肉は美味と好まれるため、次々と魔法の袋に収納して行くことも忘れていない。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る