第304話 エミリー来訪
ヴァーヴ伯爵家への新年挨拶準備の合間に、生産を含めた店舗経営も行っている。開店当初に比べて認知も広がったのか少しずつ売り上げも上がってきている。まだまだリリーとカーヤに対する手入れの依頼も多いが、地味に魔法のスクロールも売れている。
ミーナが最近習得した中級魔法である≪氷刃≫≪火炎≫を、自身で作成した羊皮紙を使ってスクロール作成できるようになったのもあり、やはり初級魔法スクロールよりも売れ行きが良い。これは何かと卑下しやすいミーナが自信を持つのに良いきっかけになっている。
また、週末には王都ダンジョン攻略を継続して行っている。27階は建物内タイプの遺跡エリアでゴースト、28階は沼地で巨鰐ジャイアントクロコダイル、29階は砂漠で巨蠍ジャイアントスコーピオン、30階は銅鉱石の坑道でハイオークであった。
20階以前より魔物が強くなっていることや、ミーナの訓練のためにも丁寧な探索をしていたことから、3時間の時間制限に間に合わないことも出た。その代わりでもないが、27階では隠し部屋からサファイアやルビーなどの宝石を得ることができた。
また宝箱から、器用向上の金槌を入手できたのでカーヤが使うことにする。残念ながらその他には貨幣や通常武器であった。
実力さえあれば階層クリアがワチエダンジョンより容易なためか、ワチエダンジョンよりは宝箱の中身に期待できない気がする。
年末、もうすぐ新年になるというときに、店舗にサラの師匠エミリーが訪れてきた。水精霊シルビー経由の伝言でもそのような話は無かったので、
「サラ、久しぶり。元気にしている?入学を見に来たよ」
と完全にサプライズであった。
同級生であったカーラにはサラたちが世話になっているお礼、新しい仲間であるミーナには皆と同じ≪拡張≫された腰袋、ハリーとリリーの兄妹には両親からの手紙などを持ってきた。特にリリーは入学祝として手形があったようである。
そしてサラへは入学祝として、前のツインルームほどの大きさの≪収納≫指輪の3倍の指輪を渡す。ますます空間魔法を習熟させているらしい。
エミリーはサラたちの店舗兼住宅を見せて貰ったり、サラの成長を確認したり、旧友のカーラと飲み明かしたりして日々を過ごす。
サラはこの機会にと、エミリーから土魔法の初級≪投石≫と中級≪土壁≫を学んでおく。
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