第527話 孤児院開始

教会が共同運営している孤児院に訪れているサラたち。

「孤児院の運営と申しても、最初は小規模で少し年上の者たちを考えています。以前、成長に伴い食費が増えて行く課題を伺いましたので」

「はい、申し上げました。下の子の面倒もみられるようになりますが、食事量も増えて行きます」

「そこで、住み込みの職業訓練に出て行く手前の6~7歳ぐらいの子供たちを私どもが引き取るのはいかがかと思いまして」

「なるほど。下の子の面倒をみる者が全く居なくなるのは困りますが、ありがたいお話です」


同行したローデット、デュドニとガエルの3人も一緒に孤児院の業務をしばらく手伝いながら、当該年齢の子供たちを教えて貰いその子供たちの自然な行動を確認させて貰う。また他の子供も混ぜて、ゲームと称して、記憶力と思考力の地頭の良さを確認する。


そして4人で相談して決めた引き取る候補の3人を、孤児院の院長に話す。

「流石ですね。はい、その3人は性格も良く、成長した後は引く手あまたと思っておりました。ただ、彼らの食費分でまた新たに不幸な幼子を引き取ることができると考えれば、早めの卒院も良いことで。またドラセム様に引き取られたとなると彼らの将来も安泰です。どうか彼らをよろしくお願いいたします」

と院長に頭を下げられる。


サラたちは選んだ3人は、アロイヴ・7歳・男、ジョエメ・6歳・女、アナトビ・6歳・男である。年齢は孤児なので誕生日が不明であり、この孤児院では1月1日としていたらしい。アロイヴはあと3ヶ月で8歳となり、職業訓練に出だすところであったようである。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る