第46話 鉄級冒険者

技術が上達して装備も新しくしたため、3人は木級から鉄級冒険者を真剣に目指すことにする。


鉄級冒険者はDランクの魔物を1対1で倒すのと同等の力があることを示す必要がある。

ただ、魔物のE・D・Cに冒険者の木・鉄・銅が対応するように、技術レベルも初級未満・初級・中級がだいたいは対応し、それぞれ銅級や中級が一人前となるため、技術レベルが初級になった3人が鉄級を目指すのも、別に無茶な話ではない。


領都の近くで手ごろなDランクの魔物はやはり猪ワイルドボアであり、これを一人で倒せる訓練に切り替える。

ハリーは盾の≪挑発≫と片手剣の≪斬撃≫、リリーは弓の≪穿孔≫と槍の≪刺突≫、サラは水魔法の≪水針≫≪水刃≫と短剣の≪刺突≫と回復魔法の≪治癒≫が主な手段になる。


ハリーは遠隔攻撃の手段が無いため、一人では接近するまでに先制攻撃して体力を削ることができないため、接近してから倒しきるまでがどうしても長くなる。攻撃のすべてを盾で受けると左腕側の被害が大きくなるため、盾の技術≪受流≫を習得することにする。

リリーは弓矢による先制攻撃、遠隔攻撃と接近してからの長柄武器もあるが、盾があるわけでないため体術の≪回避≫を習得することにする。

サラも遠隔攻撃と近接攻撃ともに可能であるが、後衛であり接近戦は得意でないため、万一のためにリリーと同じく体術の≪回避≫を訓練しておく。


これらの準備を十分にした上で、一発試験なわけではないので、草原で実戦訓練として何度も一人討伐を試す。上手くいかず失敗した時には残り二人が助けて倒しきることで危険性を排除しつつ、怪我した時にはサラの≪治癒≫で回復して再挑戦する。


結果、≪受流≫と≪斬撃≫をうまく使ったハリーが一番無難に一人での討伐を成功させる。リリーも遠隔時に≪刺突≫の2回で体力を削った上で、接近してからも≪回避≫と≪刺突≫でしとめた。

サラは遠隔時に≪水刃≫の2回で体力を削った後、接近されてから≪水針≫で目を狙って視界をふさぎ、≪水刃≫≪刺突≫で攻撃するも≪回避≫の成功率が低く≪治癒≫も組み合わせてギリギリ何とかしとめることができた。

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