第367話 嫉妬
同じころ、まだ成年になっていないハリー、リリーも、両親に甘えて料理や商売のことを教わるなど有意義な帰省にしていた。
ミーナは王都を出たことが無かったので、この伯爵領都までの道やゲレの街も刺激的であり、他の3人が個々の用事をしている間は、色々な店舗やギルドに足を運び彼女なりに知見を広める努力をしていた。
サラとリリーは自主休学している状態であり長居はできないため、用事が済めば早々に王都に戻ることになる。
ミーナの誕生日がもうすぐであることから、エミリーはサラが持っているツインルームの広さの≪収納≫指輪をミーナに移譲するように言う。サラにはツインルームの5倍の広さのを代わりに渡す。
サラは、エミリーが今までハリー達には≪拡張≫の魔道具しか与えていなかったのに、ミーナに初めて≪収納≫の魔道具を与えることになったのに気付く。魔法に向いている孫弟子と認知したのか、自分はもっと優遇されているのに少しだけ嫉妬を感じて自己嫌悪になるのであった。
ミーナは背景も分からず、今までも使っていた≪拡張≫の腰袋に比べて≪収納≫の指輪は、収納物を手探りせずに意識するだけで取り出せるなどの使い勝手の良い物に対して素直に喜んでいる。
他のメンバに比べて所持している魔道具が少なく、これで4つに増えたことも、後から増えたメンバなだけであるのだが、奴隷であることをときどき思い出すきっかけであったので、その意味でもかなり他メンバより大きな≪収納≫の魔道具は喜ばしいものであった。
□
そうこうあって王都に向けて出発することになる。
サラは、エミリーからカーラへの返信を預かり、ハリーたちは両親の料理を弁当として預かって、来た時と同様に戦馬バトルホースを5頭に4人が分かれて騎乗して伯爵領都を出る。
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