第118話 山賊捕縛
山賊たちは勝ち目がないと、すぐに投降を決めるものが多かった。銀級相当ほどのものも複数人いたが、エミリーの≪氷槍≫などを見ている上に、皆が投降し始めたのをみて、逃げ切れないと判断し最終的には全員が投降した。
エミリーたちは、商人から革を譲り受け小さい革ひもを人数分つくり、後ろ手に親指同士を結び付ける。もちろん武器も取り上げてある。
『俺に魂を寄こせ』
という魔剣ストラデルの声を踏まえて、サラはエミリーに聞く。
「どうするの?」
「そうねぇ。選択肢はいくつかあるけど、まずは商隊長と相談かな」
そこで3人パーティーの銀級リーダー、商隊長がそれぞれ
「ねぐらからもお宝を巻き上げようぜ」
「殺さずに、犯罪奴隷にしましょう」
という。もちろん山賊たちからは
「命だけは助けてくれ」
という声が聞こえる。
商隊護衛はあくまでも商人や荷物を守るだけの契約であり、撃退した魔物や盗賊については護衛者の取り分になる。ただ、ねぐらに行くなどの撃退ではないことへの時間を護衛以外に使用するのは、休憩時間以外に認められない。
それを承知の商隊長は
「ねぐらの宝物、奴隷売却などの成果の2割を頂けるならば寄り道を認めましょう」
と提案してくる。
「でも、20人も徒歩で連れ歩くわけにいかないだろう」
「道を「通せん坊」した馬車以外にも、山賊なら馬車があるでしょう。ねぐらも含めたら」
「では、リーダーっぽいのを2人ほど連れてねぐらに行きましょう。片方が悪さをすればもう片方に責任を取らせることで」
と話がまとまる。
両手の親指を結び付けただけの山賊には、
「抜け出すことができるやつもいるかもしれないが、そうしたらどうなるか分かるよな」
と念押ししておき、エミリーとサラは、無傷の冒険者側と違い傷だらけの山賊側で重症者に≪治癒≫等で回復しておく。
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