第538話 代官地砦盗賊

ゴブリンやオークか何か人型魔物が潜り込んだか、街道に近いので旅人が休憩に立ち寄ったか、何があっても良いように、非戦闘員のローデットたちは門近くに待機するように指示して、戦闘員だけで各建物を囲い込む。


一番奥の屋敷の煙突からだけ煙が出ていて、馬車と馬も繋がれている。一応他の建物には誰も居ないことを確認した後、奥の屋敷のみを取り囲む。


馬があるので魔物ではなく人間と思われるので

「屋敷に居るのは誰か?大人しく出てくるように」

とハリーが大声で叫ぶが、物音がした後は動きが無い。


自分たちの家を傷めたくは無いが、変に玄関扉を開けに行くと集中攻撃を受ける懸念もあるため、≪結界≫をして盾を装備したハリーが、アルベールなど他にも盾を装備した2人と共に玄関に向かう。矢などから守るための≪風盾≫もすぐに発動できる準備をしておく。


そのとき「今だ」という声と共に玄関扉が開き、周りの窓からも含めて数人の弓士がハリーたちに矢を射ってくる。

想像された行為であるため、≪風盾≫ですべて避けた後、窓の弓士にはリリー、リリアナ、ティアーヌ等の弓で、玄関の正面はサラが≪衝撃波≫で注意をそらさせた後のハリー達の突撃ですぐにそれぞれを無力化する。


恰好は統一されていなく薄汚れていたので、冒険者というよりは盗賊であると思われる。慎重に屋敷内を捜索すると、商人であったと思われる身なりの親子3人が監禁されていた。他に盗賊が潜んでいなく、いったん全員を縛り上げて武装解除した上で怪我は治癒しておく。

親子3人も大きな怪我は無さそうであるが治癒しておいた上で話を聞く。ま、見た目の通り街道で盗賊に襲われて、途中に在ったこの砦の家に連れ込まれたところらしい。この後は王都なりに身代金の交渉をする話をしていたところだとのこと。

一応、命をとったり乱暴をするのではなく、物だけを奪ったり身代金を貰うだけの信念と、この盗賊たちは自慢していたらしい。

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