第1020話 マウロ島攻防
砦ほどの大きさのマウロ島、入江となった一つだけの港以外は頑丈で背の高い石壁で囲っている。その上には、アルテーラ陸軍の弓兵とドラセム侯爵家魔術師団員達が散らばっている。
そして港ではクラーケンに半壊させられた船を繋げて防波堤とし、主に海軍はその防波堤と海岸沿いに、その後ろには陸軍の残りが陣取る。
主力となるサラ達は港の奥まったところで待機しており、海龍リヴァイアサンが姿を現せばそこに全力集中する予定である。
「皆、覚悟してくれ。いったん魔物が引いたのは次の攻撃の準備であろう。その次の攻撃が過去最大の戦力、海龍リヴァイアサンの力をまざまざと見せつけられるときであろう。だが、我らの側には例え一国でも敵わないドラセム家の面々がいるぞ!その波を乗り切って我が家に帰ろうではないか!」
「「「おぉ!!」」」
「随分な言われようね」
「まぁ確かに瞬間戦闘力はどの国にも負けないだろうな。占領するとか面的展開などはできないし、する気もないだろう?」
「私は平和に魔法の研究をして、たまにはダンジョンなどで冒険するぐらいが良いのよ」
「じゃあ、さっさと子供を産んで育てて侯爵を譲ってのんびりしようか」
「ハリーまで・・・そうね、そうしましょうか。まずはこの島を守り切って。来たわよ!」
「そうだな」「皆、来たぞ!構えろ!」
サラが気づいたのを受けて、ハリーがサラの風精霊ジョステルの力を借りた拡声で全軍に注意喚起を行う。サラ達は≪飛翔≫で空中に上がり、ハリーはワイバーンに跨って空にのぼる。
「おぉ海が見えないぐらい魔物がびっしりだな」
「リヴァイアサンが出てくるまでに、少しでも減らしましょう」
出し惜しみすることなく、大悪魔ファリクス、ストラデルなどの悪魔、各属性の精霊達、そして天使マルカルロなどをサラは召喚する。魔術師団員達も各自が契約している精霊や悪魔を召喚して備える。
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