第255話 店舗兼住宅

母ローラと師匠エミリーの魔術学校時代の同級生であるカーラ。サラたちは3度目の訪問で住居の相談になるが、快く話に乗ってくれる。


「つまり、宿では食事も満足に取れないし、寮では私物を広げないし、富裕街の屋敷ほどの広さや値段は合わない。一般街で適当な家が欲しい、ということね。もちろんこの従魔のロック鳥も一緒に住めるところで」

「はい、難しいでしょうか」

「治安とか考えなければ色々とあると思うわよ。銀級冒険者かもしれないけど、あなたたち若いし、女の子が3人も居るから舐められるだろうし」

「やっぱり」


カーラは4人を見渡して言う。

「そうね、条件付きで紹介してあげても良いけど」

「なんかやばい条件ですか・・・?」

「あなたたち、結構魔道具を持っているわよね。それにこれからも入手しそう。できる限り私にそれらを見せてくれるなら良いわよ。もちろん鑑定もしてあげる」

「え、それだけ?」

「そうよ、私、魔道具が好きなのよ。だからお店もしているの。色々な魔道具を見るのは勉強にもなるしね」

「もちろん、その条件でお願いします」

と声をそろえてお願いをする。


「この隣よ」

「え?」

「隣の鍛冶屋が、跡継ぎも無いまま亡くなったの。あなたたちドワーフも居るし、店舗兼住宅なんてどう?商店街だから間口は20mと狭いけど3階建てで奥行きもしっかりあるのよ。住み込み弟子も居たから5人以上住めるし、もちろん炉も庭も奥にあるし、その奥の裏口側には馬車もしまえる馬小屋もあるからロック鳥も大丈夫よ」

「高そうですがいくらですか?」

「遠くに住む親せきが手入れも面倒と言っていたから、丁寧に住むならば安くしてくれるって、斡旋を頼まれていたの。月々金貨1枚って。将来的に買い取りもありかもね」

「宿に日々銀貨1枚を4人なら月120枚、それより安いなんて!ぜひお願いします」

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